2018/05/31 更新   お知らせのトピックス

この度私は2017年度(第14回)日本内視鏡外科学会技術認定医の試験を受験し資格を取得しました。

2004年から始まったこの資格は『内視鏡手術を安全かつ適切に施行する技術を有しかつ指導するに足る技量を有していること』とされており、自分だけでなく他の外科医に指導できる高いレベルの技量が必要とされます。消化器外科には各臓器別に審査があり、私は鼠径ヘルニアの部門で取得いたしました。消化器外科の全体での合格率は3割前後となかなかきびしく、ヘルニアはその中で最も低く2割前後の合格率です。ヘルニアの分野ではこれまで広島県では1人(今回で私を含め3人)、中四国では4人(今回で私を含め7人)が取得されており、福山では初となりました。

そけいヘルニアとはソケイ部にある腹壁の弱くなったところから内蔵が飛び出る疾患で、『脱腸』とよく言われる病気です。年間15万人が治療を受け、消化器外科医が行う手術で虫垂炎(一般的に言う『もうちょう』のことです)を超えて最も多い疾患です。

腹腔鏡下ヘルニア修復術とは、通常の手術の(ソケイ法)前方から5cm前後切開する手術に対して、0.5~1cmの小さな傷を3箇所空けお腹の中から行う手術です。傷が小さいことで疼痛軽減と早期社会復帰が期待できる手術で、2012年に保険改訂されてから全国的に普及した術式です。当院でも積極的に行っています。

最後に腹腔鏡手術を習熟するにあたり、ご指導いただいた外科の先生方を始め、麻酔科の先生、研修医の先生、手術室・病棟のスタッフの方々、様々な面でご協力頂きありがとうございました。今後も初心を忘れず精進していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

いそだ病院 外科 磯田健太