甲状腺とは首の前方にある蝶々形の臓器で、人体最大のホルモン分泌器官です。
ここから分泌される甲状腺ホルモンは赤ちゃんの発育や、私達の体温の維持に欠かせません。また昨今のダイエットブームで取りざたされることの多い基礎代謝率とも関係しています。
甲状腺の病気ではこのホルモンが出すぎたり、また足らなくなったりして様々な症状を呈します。例えばバセドウ病は甲状腺ホルモンが多すぎて、手が震えたり、ご飯をよく食べているのに体重が減ったり、冬でも汗をかいたりする病気です。世界的には甲状腺ホルモンの素となるヨード不足が深刻な問題となっていますが日本では逆に、もともと国土にヨードが豊富に含まれている為、知らず知らずにヨード過剰摂取状態にある方が多いのです。この為過剰なヨードを処理しきれずに甲状腺がただ腫れているだけの場合もありますが、時に悪性腫瘍などが甲状腺に生じて神経が侵されると、声がかすれたりする事もあります。
採血などによるホルモン検査や、超音波画像診断など比較的簡単な検査が普及していますので、最近首が腫れてきたなという方や、物を飲み込む時に首に違和感のを感じている方はぜひご相談においで下さることをお勧めします。