2017/03/27 更新   コラムのトピックス

ヘリコバクターピロリ菌

胃液で満たされた酸性の世界である胃に細菌がいる>という発見は大きな話題となり、ノーベル賞にも値しました。その後の研究でピロリ菌は慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍の原因の一つである事が分かってきました。また最近では胃癌の発生原因とする報告が増加しています。日本におけるピロリ菌の感染率は年齢によって大きく左右され、若い人ほど低率です。全体でみると欧米よりはるかに高く、土や空気中では生きていけないピロリ菌は家族内感染が大半とみられています。あなたや家族の方の為にもピロリ菌の検査、除菌が大切と考えます。

下痢と便秘

普段病院に縁がない方でも多くの方が経験されていると思います。‘21世紀は脳の時代’と言われていますが腸(の働きを調節する腸管神経)の研究もこれからの発展が期待されている分野です。電子顕微鏡下に広がる神経は大海原のようで圧倒されました。一説によると、大脳と同じ位かそれ以上の数の神経が腸にはあるそうです。下痢→(下痢止め)→便秘→(下剤)→下痢・・・はこの精密でデリケートな腸の調節を狂わせてしまう悪循環だと思います。中には単なる働きの問題ではなく、本当に悪性疾患等が潜んでいる事もあります。慢性的な排便異常や、下痢や便秘が次第にひどくなっている様な方は一度検査をお勧めします。

骨粗鬆症

昔は年をとったら背中が曲がって当たり前、という風潮でした。しかし背中が曲がる事こそ骨粗鬆症によって背骨が潰れている事の証なのです。女性の場合、ホルモンバランスの変化で閉経を境に急激に骨粗鬆症になり易くなるのは良く知られています。しかしこの問題は女性だけに限りません。一般に女性に遅れる事約20年で男性にも骨粗鬆症の危機が迫ります。男性の場合もし骨折など起こしたら命に関わるという怖い調査結果も報告されています。また最近の若い女性のダイエットブームも、骨量の貯金が減るという点で将来が心配されます。新しく開発された薬の中には、効果が期待されるものもあります。男性、女性を問わず背が縮んできたなと思われる方は、一度骨密度測定を受けられる事をお勧めします。