世の中には便がすっきり出なかったり便が漏れて排便に悩み苦しんでいる方が大勢いますが、決して満足いく治療が行われているわけではありません。この原因としては排便という暗いイメージがつきまとい、患者側も表に出して訴えてこれなかったこと、医療者側も系統的な診断指診や治療指針がなく、限られた下剤で便を出してよしとする「事なかれ」診療になっていたこと、患者や医療者側どちらも「たかが便秘」という認識で対応してきたことなどがあげられます。しかし、近年便秘症が心血管系、呼吸器系のリスクとなり生命予後を悪化させ、サルコペニアやフレイルの原因となることがいわれるようになり、便秘症や便失禁のガイドラインが作成され、新しい便秘治療薬も登場し、排便診療は新たな時代へと移りつつあります。

このような現状の中で、いそだ病院では排便に関する暗いイメージを打破し問題解決にむけて医療者側の情熱を高めるべく多職種による排便ケア―チーム「フローラ」を結成し院内外および地域へむけて様々な活動を開始しました。チーム「フローラ」は医師や看護師だけではなく、管理栄養士、理学療法士、看護助手、社会福祉士、事務 等多職種でチームを結成しており、それぞれの専門的な目で見て多方面からアプローチを行うことにより一人一人の患者さんに合わせた排便ケアを行っていくことを目的としています。この「いそだ病院から排便革新」コーナーでは私たちチーム「フローラ」が取り組んでいる活動を紹介しています。この排便革新コーナーを参考とし、各施設や地域において少しでも排便に関する関心が高まるきっかけになれば幸いです。今後も逐次内容を更新していきますのでご参照下さい。